デイサービス部門 部門長 儘田 佳之

なければつくろう。自分の思い描くリハビリを提供するために
私は大学卒業後、一般企業に就職し、それから理学療法士の資格を取っていますので、いわゆる異業種転職組です。180度異なる福祉の仕事を選んだのは、「誰のために働いているのか」という実感を得たかったから。そんな実感がダイレクトに伝わる仕事はなにか、を調べていくなかで「理学療法士」という仕事に出会いました。
30歳を過ぎてから、昼間はアルバイトをし、夜間は専門学校に通いました。理学療法士の資格を取得後はデイサービス併設の有料老人ホームに3年ほど勤務しました。実際に働いてみると、自分が当初思い描いていた介護やリハビリとの相違に違和感を覚えました。介護は管理ではないにも関わらず、ご利用者様に対して「そこに立って」や「これ食べて」というような声掛けが日常になっている。人生の大先輩に対して取るべきではない態度で接することに悶々としたのです。それであれば、自分でやりたいリハビリや介護ができる会社をつくればいい!と考え、収支計算を自ら行い、事業運営のノウハウを学び始めたのです。
社長の竹下とは、専門学校時代に実習先の病院が一緒だったという縁がありました。その後も繋がりをもっていたのですが、私が「自分で会社をやろうと思っている」という話をしたところ意気投合し、一緒に2011年に高円寺にリハラボの1店舗目となるデイサービスをオープンさせたのです。竹下は主に事業としてのリハビリの内容の構築、私は人事・労務・経理などの経営基盤の領域を担っていました。
ご利用者様のために、デイサービスと訪問看護の融合は不可欠
リハラボが目指したいリハビリのかたちとして「デイサービスと訪問看護の融合」というものがあります。リハビリの専門職の方からすると、デイサービスと訪問看護のリハビリは大きく異なると捉えられます。デイサービスは他職種との連携とチームワークの中でリハビリを行い、ご利用者様に1日をいかに楽しく過ごしていただくのか、という点に重きを置きます。対して訪問看護は1対1で個別のリハビリを行います。技術やスキル、経験がある方にとっては、時にデイサービスのリハビリは物足りなく感じることもあるようです。
一方、医療従事者からのこうした視点をご利用者様の視点にうつしてみると、大きな相互作用があることに気づきます。デイサービスには「社会交流の場」という側面があるのですが、外に出て、色んな人と関わり、話をし、リハビリも行うことが精神面の安定を促します。デイサービスで前向きな気持ちになった方が、訪問看護で個別リハビリを頑張るとご本人の取り組み方も大きく変化していくのです。
私たちが目指す「デイサービスと訪問看護の融合」とは、医療従事者の視点ではなく、ご利用者様の視点からそうするべきという考えに基づいているのです。
リハラボの哲学を共有できる組織に
今のリハラボは、10年前に自分が「なければつくろう」と思い描いていた会社になりました。この間、たくさんの試行錯誤と紆余曲折もありましたが、自分の理想をある程度のかたちにできたなと思います。一方で、これからもっとリハラボをご利用者様の「居場所」にするには、私が大事にしてきた思いやホスピタリティの精神など、リハラボの哲学をもっと共有できる仲間を増やさないとなりません。私たちが大切にしたいことを、大切だと思ってくれる方を迎えていきたいと願っています。